アンの処刑は王の慈悲をもって火あぶりではなく斬首と決まった。それも腕の良い首切り役人をカレーから呼び寄せているということだった。下手な役人にかかると斬られる側が大変な苦痛を味わう例がよくあったからである。 同時にアンの結婚も無効とされ、王妃の地位も剥奪された。ヘンリーが昔アンの姉 […]
ヘンリーの計らいにより、ジェーン・シーモアの兄エドワードはヘンリーの侍従に取り立てられた。さらにクロムウェルはヘンリーの部屋に隣接した自分の部屋をシーモア家に明け渡し、ヘンリーがジェーンと家族の面前で会えるようにする。この計画が察知されないようヘンリーはブーリンに対しては存分に恩 […]
数年来、オスマン・トルコの侵入に悩まされていた神聖ローマ帝国皇帝カールが、チュニスに遠征、トルコに勝利した。余裕のできた皇帝はイングランドにとっては脅威である。キャサリンが死んだ今、皇帝と手を結ぶことに障害はないと考えたヘンリーは、クロムウェルに命じて同盟の可能性をチャプイスと協 […]
クロムウェルの指示により、イングランドにおけるすべての修道院が調査されその財産と内部の実情について目録が作成された。修道院が堕落しきり私腹を肥やしている一方で、王国は財政難に陥っているという報告を受け、ヘンリーはクロムウェルに促されるまま修道院の閉鎖を進める。メアリー王女の存在を […]
ローマ法王がモアとフィッシャーの追悼の祈りを捧げている頃、イングランドでの宗教改革は着々と進んでいた。民衆の意識改革のために印刷機が導入され、芝居を利用することもクロムウェルによって提案された。 アンの兄ジョージが結婚し、マッジにも求婚相手が現れる。ジョージの結婚はしかし新郎側に […]
教会に対する王権の優越性を認める、国王至上法への宣誓を拒み投獄されたトマス・モアとフィッシャーは、断固として誓いを立てることを拒否し続けていた。ヘンリーは、悪意を持ってこの法令を否定する者は反逆罪とする法をさらに定める。 2人目の子を身ごもったアンは、子供のために細心の注意を払っ […]
エリザベス王女の洗礼式も無事に済み、まだ男子の相続者がいないヘンリーは、アンとの間に生まれた子のみを王位継承者とするという法案を提出することにし、クロムウェルにその草稿を作らせた。出来上がった法案は、王権の教会に対する優越性も盛り込まれており、それを承認する宣誓を強制するものだっ […]
ブランドンがアンに対して快く思っていないことで、ブランドンの従僕とブーリンの従僕が諍いを起こした。ブランドンの従僕ペニントンは教会の中へと逃げるが、勢い余ったブーリンの従僕に殺されてしまう。この事件についてブランドンはブーリンの責任だと告げ、ブーリン家に対する憎しみをさらに増す。 […]
議会には国王ヘンリーから、王権はローマ教会より優位であるとする法案が出されていた。議会ではフィッシャーが教会と聖職者は不可侵であると熱弁を振るい、またモアも味方になりそうな議員の取り込みに躍起になっていた。しかし、王側もクロムウェルがウォーラム司教に王の意に従うように暗に脅しをか […]
外交官を退任すると思われたスペイン大使チャプイスは宮廷に戻ってきた。ヘンリーから離婚を迫られている王妃キャサリンを陰ながら支えるためだった。チャプイスはモアに、キャサリンの支援を依頼する皇帝からの手紙を渡そうとするが、ヘンリーとの信頼関係が崩れることを恐れるモアは手紙を受け取らな […]